オーナーの後継者が資産管理会社を設立することの効果や方法は、次のようなものです。
1.資産管理会社設立の効果
オーナーの子供が資産管理会社を設立して、その資産管理会社がオーナーの会社の株式を買取り、以後は子供が会社の株式を資産管理会社を通じて保有することになったとします。この場合の効果は、「将来の株価上昇の抑制」と「オーナーの持株数の減少」の2つです。
(1)将来の株価上昇の抑制
資産管理会社への株式の移転は、譲渡時の時価で行います。それ以降、もし会社が成長すれば、譲渡時の時価から値上がりした部分については、資産管理会社の株式評価の際、45%が減額されることになっています。それゆえ、資産管理会社を通じて株式を保有すれば、それ以降の株価上昇分の約半分について減額が可能ということになります。
(2)オーナーの持株数の減少
資産管理会社に株式を売却することによって、オーナーの持株数は減少します。そして、資産管理会社の株主を子供とすることで、オーナーの相続財産から自社株を切り離せるというメリットが生じます。
2.資産管理会社の設立方法
資産管理会社の設立方法として、借入による場合と株式交換による場合が考えられます。
(1)借入により資産管理会社を設立する場合の流れ
オーナーの後継者が全株式を保有するB社を新たに設立します。
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オーナーは、その所有するA社の株式を、B社に譲渡します。B社は、金融機関等からの借入金により、A社株式をオーナーから購入します。
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B社は、A社からの配当金を活用することにより、借入金を返済していきます。
(2)株式交換により管理会社を設立する場合の流れ
オーナーの後継者が全株式を保有するB社を新たに設立します。
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オーナー・後継者とB社は、オーナー・後継者が所有するA社株式とB社が新規発行する株式を交換します。
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オーナーから後継者にB社の株式を贈与します。